連続不審死 現場付近で似た女がタクシー 巧妙手口、浮かぶ“素顔”は…

 埼玉県警に結婚詐欺容疑で逮捕された無職の女(34)=東京都豊島区=の知人男性が相次いで不審死していた事件で、交際相手だった東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の遺体発見前日の8月5日夜、現場となった埼玉県富士見市の駐車場付近から女とよく似た人物がタクシーに乗っていたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。

 大出さんは、8月6日に富士見市の駐車場に止めてあったレンタカーの車内から遺体で見つかった。捜査関係者によると、発見前日の5日午後10時ごろ、女によく似た人物が現場と約300メートル離れた入浴施設前から1人でタクシーを呼び、東京・板橋方面に向かったという。

 大出さんは発見前日の5日、自身のブログに「今夜から2泊3日で相手と婚前旅行に行きます」と書き込んでいた。

 女は県警の調べに、「旅行前日は私の自宅で手料理を一緒に食べた」と供述していることも判明。遺体発見現場に大出さんといたことは認めているが、「別れたので、自殺したのではないか」とし、「私は電車で帰った」と話しているという。県警は、女の供述の真偽について慎重に調べを進めている。

 ■「結婚サイト」まじめな学生/「介護ヘルパー」尽くす女演出

 周囲で知人男性の不審死が相次いでいる無職の女(34)は、インターネットを通じて男性と知り合い、相手に応じて身分を偽装していた。結婚話などを持ちかけて金を奪う「だましのテクニック」が次第に明らかになってきた。男性らは金を女に渡した後に不審死したケースが多い。巧妙な手口からは女の“素顔”が浮かぶ。

 ▼ネット

 年齢、年収、学歴や好みのタイプなどのコメントが並ぶ大手検索サイトが運営する「結婚サイト」。このサイトで、女は男性を物色していた。女は月数千円の会員料金をクレジットカードで支払い、ハンドルネームは、自らが開設するブログ名と同じ「かなえキッチン」のほか、複数を使い分けていた。

 詐欺や詐欺未遂の被害に遭った男性4人と知り合ったのもこのサイトだ。埼玉県警が押収した女性のパソコンの解析結果からは、これ以外にも数十人の男性とメールをやりとりした形跡があった。

 女がネットを活用していたのは、出会いの最初のきっかけとなる結婚サイトだけではなかった。

 4月と7月、8月の3回に渡り七輪と練炭のセットを購入したのもネットだった。4月と7月の翌月には