結婚詐欺の女、精力剤をネットで購入…男性4人不審死

 結婚詐欺の疑いで埼玉県警に逮捕された無職女(34)=東京都豊島区、詐欺罪で起訴=が、インターネットのオークションサイトで「精力剤」を購入していたことが28日、分かった。女と交流があり死亡した男性のうち、2人の遺体からは睡眠導入剤が検出されている。女の周囲では、これまで男性4人の死亡が明らかになっているが、一部報道によるとさらに別の2人の死にも不審な点が浮上しているという。

 女が利用していたインターネットオークションの取引履歴によると、大手ピアノ教室の各種グッズ、高級ホテルのアメニティーグッズ、ブランド品の紙袋、精力剤などを落札している。精力剤はカプセル状のサンプル品で、主に男性が使用するもの。女は自身のブログで、オークションで落札したものと同一とみられるものを複数掲載している。

 県警などよると、安藤建三さん(80)と大出嘉之さん(41)の遺体からは、睡眠導入剤の成分が検出され、女から押収した睡眠導入剤と一致した。女が2人に薬を服用させた可能性も視野に入れ捜査を進めている。

 5月に自宅の火事で死亡した安藤さん宅に、女は「ヘルパー」と称して頻繁に出入りし火事当日にも訪問。ブログには同17日付で「介護のお手伝いをしている80歳のおじいさまのお宅にうかがいました」との記載がある。火事は「私はお手伝いをし、数時間後の出来事だった様子」とし「おじいさまと最後にあったのは私ではないかということで事情を聞かれ、サスペンスドラマのような一日でした」と書き込んでいる。

 また、大出さんは遺体で見つかる前日の8月5日に「2泊3日で婚前旅行に行く」と自身のブログに書き、都内でレンタカーを借りていた。女は遺体発見現場の埼玉県富士見市で大出さんと一緒にいたことは認めているが、「その後は別れたので(死亡の)経緯は知らない。自殺したのではないか」と供述している。

 2人のほかに、女と交際していた寺田隆夫さん(53)も一酸化炭素中毒で死亡していたことが判明。警視庁は当初、自殺と判断していたが、死亡の経緯に不審な点があり、殺人の疑いもあるとみて捜査する方針を固めた。

 捜査関係者によると女は、既に起訴された事件の被害者以外にも男性数人に対し結婚詐欺を繰り返し、昨年以降、少なくとも2000万円を詐取した疑いがあることも判明している。(死亡者の年齢はいずれも当時)