<連続不審死>41歳男性、睡眠薬3種に酒も 旅行直前に

 埼玉県警に結婚詐欺容疑で逮捕された東京都豊島区の女(34)と交際中で、遺体で発見される前日に「今夜から婚前旅行に行く」とブログに記していた東京都千代田区の大出嘉之さん(当時41歳)が、旅行に出る直前に3種類の睡眠薬と酒を飲んだ疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。服用後は昏睡(こんすい)状態に陥っていたとみられ、県警は何者かに薬や酒を飲まされた疑いがあるとの見方を強めている。

 大出さんは8月6日午前7時20分ごろ、埼玉県富士見市内の駐車場に止められていたレンタカー内で、一酸化炭素(CO)中毒死していた。そばに練炭が七輪で燃やされた跡があった。

 捜査関係者によると、遺体の血中から3種類の睡眠薬の成分が検出されたが、大出さんは医師から睡眠薬の処方を受けていなかったという。女は医師から同じ成分の睡眠薬を複数回処方されており、この3日前にも診療所で処方を受けていた。服用すれば数十分で眠くなり、飲酒していればさらに早く効くという。

 大出さんは遺体で見つかる前日の8月5日昼、自身のブログに「実は婚活中で、今夜から2泊3日で相手と婚前旅行に行きます」と書き込んでいた。同夜は女が当時住んでいた板橋区のマンションを訪ねたとみられ、女は県警に「手料理のビーフシチューを一緒に食べた」などと説明した。県警が遺体を詳しく調べたところ、大出さんはシチューを食べた時間帯に睡眠薬と酒を飲んだか、飲まされた可能性が浮上した。マンションから富士見市の駐車場までは、女がレンタカーを運転していたとみられる。

 また、大出さんは旅行に行くはずだった5日に都内の銀行で約450万円を引き出していたが、金の行方は分かっていない。